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ミッション!

3月24日から4月7日まで、カナダの医療NGOの無料診療村回りに参加してきました。

このNGOは、カナダ人のDr.が代表者のASCCA(ALLIANCE DE SANTE COMMUNAUTAIRE CANADA-AFRIQUE:無理やり日本語にすると「カナダ‐アフリカ健康共同体同盟」)という団体で、数年前からガボンの田舎の村々で年に1度くらいのペースで無料診療を実施しており、昨年から私の配属先であるランバレネCTAとの協力が始まったようです。

今回の村回りは、2地域を対象とした以下の2クールで構成されていました。
①3月24日~3月30日
 ランバレネの川沿いの村々を対象とした3月25日から3月29日までの5日間の無料診療。
②3月31日~4月7日
 レバンバ(ランバレネから車で5時間程内陸に入った街)周辺の村々を対象とした4月1日から4月6日までの6日間の無料診療。

カナダからの参加者は、医師、看護師、看護学生、薬剤師、ロジスティック(物資の調達や人々の調整を行う係)の人々約20人。それにASCCAがガボン以外に活動地域としているベナンからの参加者や、もちろんガボンからの参加者(医師、看護師など)もおり、①と②で人数の増減がありましたが、合計40~50人の人々が集まった大きな仕事でした。
※ちなみにカナダからの参加者は、ほとんどがケベック州出身の人々で、仏語が母語の人々でした。

それぞれの地域で寝泊まりする拠点を定め(①の場合は川沿いのある村の役人さんの大きな家、②の場合はレバンバの学校内にある研修施設)、そこから毎日違う村に出向き、村にある無料診療所(といってもDr.はおらず、薬も限られている)や小学校などの場所を借りて、無料診療、薬の無料配布を行いました。
診療は、内科、外科、小児科、婦人科、眼科、HIV(エイズ)検査。
人々は、まず受付でカルテのような紙を作り、どこに診療してもらうか決め、各診療を回った後、薬局(薬は全てASCCAがカナダから持参したものかアフリカ内で購入したもの)で薬をもらって終了、という流れでした。
普段、医者に診てもらう機会の少ない村に出向いていることもあり、連日大盛況。①の地域で毎日200人程度、②の地域では毎日300人程度で、400人を超える日もありました。

↓受付の前に並ぶ人々
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私自身は、①の際は、職場のDr.とピシコローグと3人でHIV検査の担当。HIV検査も連日大盛況で、平均で80人程度、多い日は100人を超す人々が検査を受け、私たち(特に検査前後のカウンセリングを行うピシコローグとそれの補助&記録を行う私)は、お昼のサンドイッチを食べる暇もないくらい、忙しく働きました。

↓カウンセリングを行うピシコローグ(左)
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そして②の地域では、レバンバにある病院のスタッフがHIV検査を担当するということで、当初、職場のDr.のみ参加で私とピシコローグは不参加の予定でしたが、ASCCAの代表者であるDr. Donが私が「薬剤師」ということで「薬局で働いてみてはどう?」と言いだし、結局、薬局担当ということで私のみ参加することになりました。
Dr. Donの提案に対し、一度、薬剤師として働いた経験が無いことと仏語に不安(特にカナダ人の仏語は慣れていないし、分からない・・)があることから、参加を断ったのですが、「経験として楽しめばいいから」と優しく言われた上に、最終的には職場のDr.から「参加するよね?」と念を押され、「No」とは言えず、不安を抱えた形で参加することになりました。

↓ASCCAの代表者Dr. Don。いつも笑顔で、とっても素敵なDr.です。
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ただ、最終的には、②にも参加させてもらえて本当によかったです。
カナダでは、州によって異なるらしいのですが、薬剤師が処方できる(診断に対する薬を決められる)らしく、カナダ人の中の唯一の薬剤師は、各診療を回ってきた患者のカルテ様の紙を見て、薬を決めていきます。
本当は、同じ「薬剤師」という肩書を持つ私には、この仕事を補助してほしかったのだと思いますが、2重の壁(経験なし&仏語)がある私には到底無理・・。なので、他の薬局内のスタッフ(彼らは、薬剤師ではない)と同様に薬剤師の決めた薬をとっていくテクニシャンとして働きました。
テクニシャンとして働くのも、慣れるまでは他のスタッフに質問することも多く、手がかかる子だったと思うのですが、3日目くらいからは、だいたい分かり、処方の内容について理解する余裕も生まれ、そのおかげで薬の勉強ができました。
そして、①の際は、ほとんどの時間をピシコローグと一緒に過ごしていたので、カナダからの参加者と個人的にゆっくり話す機会がなかった(というか、仏語がわからないため、話すのが怖かった・・)のですが、②にも参加したことで、少しずつ話す人も増え、交流ができたことが何よりよかったと思います。
(ただ、やはりあまり話せないため、“日本人はおとなしい”という少し間違った印象をカナダ人に与えてしまった可能性がありますが・・)

↓薬局内のスタッフ。右端が薬剤師で真ん中2人はテクニシャン。
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ガボンにおいて、ガボン人だけでなく、思わぬ人々と交流できたこと、そして、NGOとして十分に組織された活動に参加できたことは、本当に良い経験となりました。

次回、9月にも同様の無料診療村回りを行う予定があるとのことで、また参加できることを楽しみにしています。
ただ、今回、カナダから参加した人のほとんどは次回以降参加することはありません。
本当に「一期一会」です。
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4件のコメント

[C129] おぉ~

なんか、薬剤師らしくなってきたね~
薬剤師の資格って、国際協力の場では、あまり、重宝されないって聞いたことがあるけど、カナダの薬剤師さんは、貴重な存在って感じだね。
アメリカの薬剤師さんと会ったことはあるけど、いっしょに働いたことはないなあ~。
楽しそうで、うらやましい・・・
  • 2009-04-14
  • 投稿者 : hiromi
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[C132] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2009-04-15
  • 投稿者 :
  • 編集

[C137]

>ひろみ
そうそう、同じ「薬剤師」という肩書でもできる範囲が違うと、存在価値も違ってくるよね~
ほんと日本は、まだまだだなぁ・・って思った。
でも、この薬局での仕事、ひろみだったら、ちゃんと薬剤師として働けて、薬の話も色々できるんだろうなぁって思って、自分の経験と知識の無さを恨んだよ・・
  • 2009-04-24
  • 投稿者 : トモ
  • URL
  • 編集

[C142] 日本の薬剤師

日本の薬剤師は、まだまだだなあと思うのは、
制度の問題、資格の問題などなど、いろいろあるけど、
やっぱり、プロ意識の違いってことが最近わかってきました。
確かに、「経験として楽しんでおいで」というのは、
正しいアドバイスだったわけだよね~
帰ってきたら、ブログには、書ききれないことも、
いっぱい教えてください♪
  • 2009-04-24
  • 投稿者 : hiromi
  • URL
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